葉桜

     2019/10/24   SNSから始まる出会い

この記事を読むのに必要な時間の目安: 約 3 分

近所のスーパーの脇には
桜の木が1本だけある

今はもう葉桜

仕事が終わったあとひとり
その桜の木の横を通りスーパーへ足を運ぶ

カゴを片手に店内を回っていると
見覚えのある顔の女性が居た

あ、同級生だった子だ
確か…名前は…うーん
彼女はカートに2歳にならないくらいの男の子を乗せて忙しなく買い物をしている

わたしには気付かないようなのでスルー

…顔は全然変わってないけど…
…やっぱり老けたなぁ
わたしもあの子と同じ歳なのか…

と、わたしを見て相手も思うのか。笑
20年も経てばそりゃ衰えもするだろうよ

相手の姿が、わたしの年齢の鏡なのだろう

でも
だからこそ
わたしは凛としていたい

いつもよりも背筋を伸ばしながら
商品を選び終えてレジへ

二つ先のレジには
あの同級生が子供の相手にてんやわんやしながら並んでいる

カートから降りた子供が抱っこしても落ち着かない

お願いだからじっとしてて
ねぇ、ちょっとだけだから
ほら、もうすぐだよ

彼女は元々大人しい子だったから
子供に投げ掛けられる言葉はどこか弱々しく健気に聞こえた

わたしが袋に商品を詰めていると、その子供がうろちょろと歩き出した
母親である同級生はまだレジに居る

もしヤツが外に出そうになったら、すぐに確保だ!!

脳内で柳葉敏郎が叫ぶ

いつでも確保できるように目を離さずに見ていると、わたしと同じ台にカートを押しながらいそいそと母親がやってきた

もう、お願いだから、ほら、座って!ちょっとだけだから…!

なんとかカートに座らせるも、落ち着かない様子の子供
袋詰めもままならない

…なんだよ
こんなに田舎なのに
こんなにおば様方はたくさんいるのに
世話好きなオバチャンは居ないのか
誰も彼女に声をかけてはくれないのか
それが恥ずかしいことなのか

世知辛い世の中だ

あんた方よりもわたしは
素敵なオバチャンになれる自信があるぞ

「あの、良ければお子さん見てますよ」

「えっ?」

「たぶん、同級生だから(てわけではないけど)」

「えっ!?」

「○○中学じゃなかった?」

「あ!あー!まふゆさん!?」

「凄い。名前覚えてたんだね」

「そのままだったから、顔見てすぐわかったよ!」

カートに座った子供がきょとんとしながらわたしの顔を見つめている

「ほら、今のうちに袋に詰めて~急がないでゆっくりで良いから」

「あ、うん!ありがとう…!」

「お兄ちゃん、ちゃんとお座りしてて偉いねぇ」

この人は誰なのだろうと不思議そうにわたしを見つめる子供。
そうだ。たぶん彼女の名前は…

「た、たしかミサキさんだよね…?」

「うん!そうだよー」

「良かった。間違ってなかった。笑」

「ふふふ」

レジに並んでる人達が
静かにその様子を眺めている

わたしはこんな風に子供に戸惑う母親に声をかけたのは初めてではない
知らない相手にも話しかけたことはある

周りが何をどう思っていたのかは知らん
自分が偉いとも思わん

でも少しでも
小さい子供が居る母親には
気遣いをしてほしい

ただ迷惑そうな顔をしているだけでは
その迷惑行為は終わらない

彼女にとってわたしはどう映ったのかわからないし余計なお世話だったかもしれない

でも一人くらい
こんなおばさんが居ても良いじゃない

帰り道

葉桜の麓に出来た花びらの絨毯の上を
ヒールで闊歩する

わたし達の成長期は過ぎた

わたし達はもう満開ではない

でもわたし達はまだ
枯れてはいない

まさにこの葉桜のように

次に芽吹いていく子の為に

どんな姿になろうと
此処に生きていく

まふゆ
さん
地域:千葉県
職業:受付嬢
身長:160cm
体型:普通
血液型:秘密
星座:蠍座
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