それはきっと初恋の色

     SNSから始まる出会い

この記事を読むのに必要な時間の目安: 約 4 分

学生時代の淡い色の恋
それはまるでパレットに滲む色彩のように鮮やかに

そしてこの色鉛筆のように
微妙に違う様々な色で心の揺らぎが表現されるようで

かっこいいなと思う男子は何人か居た
ただそう思うだけで
その男子とどうなりたいとかそんな感情を持つことは無くて
せいぜい「好意」止まりだったように思う

初めて恋心を抱いたその彼は
小学5年の時に同じクラスになって意識し始めた

色黒でスポーツが出来て
明るくて笑顔が可愛くて
誰とでも仲良く会話が出来て

悔しいほどにわたしと正反対

色白でスポーツが不得意で
笑うのが苦手で
人付き合いはもっと苦手で
男子と話すのはそれに輪をかけて苦手で
自分のことが嫌いだった

ただ絵を描くのだけは好きで
漫画家になりたいなどと
恋よりも淡い幻想を抱いていて
ちょうど5年生の時に漫画雑誌に投稿し始めた

それを知ってか知らずか学級新聞に載せる4コマの漫画を描いてくれと先生に頼まれ
たかだか学級新聞なのにトーンを使って奥行きのある背景まで描いていた

凄い!上手い!漫画家になれるよ!

絵だけはみんなに誉めてもらえた

『まふゆさん、絵、上手だよね!良いな~』

机で絵を描いていると
ニコニコしながら机の脇に寄ってきた彼が
私の手元に目線を落とす

「あ、ありがとう…」

緊張で気の利いた返しも出来ない
心臓がおかしくなりそう
でも

嬉しい

『凄い!これ色鉛筆?小さ!何色あるの?』

「えーと…一つが25色だから…二つで50色くらい?かな」

『すごい!ねー。今度の理科の授業で使いたいなー。貸して?』

「えっ」

『ダメ?』

「い、いいけど…」

『やった!絵が上手い人の使うと上手く塗れる気がするー』

「いやいや…」

絵だけは
みんながわたしを認めてくれるツール

誰かと繋がれる、細い糸のような
儚くもでも確実に其処に在る

わたしの居場所はきっと
この紙切れの上

『オイ。何だその目は』

「……別に」

『喧嘩売ってんのか?あぁ?』

「……」

顔が近い
この男だけは誰よりも苦手。嫌い。
顔を合わせるといつも睨みながら絡んできて
しかも誰か必ず舎弟みたいに周りに居て

『お前生意気でムカつくんだよ。泣けよ。ほら』

「………」

周りはただにやけてるだけだったり
悪口で応戦してきたり

私も言い返したりもしたけども
人数には敵わなくて
最後はただ睨むしか出来なくて

クラスの男子の半分に囲まれて
目の前で筆箱が踏まれても
何も言えなくて
ただ睨むしか出来なくて

良かった

彼がここに居なくて
こんな無様な姿を見られなくて
本当に良かった

この男は
好意があるゆえにいじめているわけではない
本気で憎いという目で私を見ている
私はこんな男に敗けない

…あんたなんかに
私の涙を見せるか

『まふゆさん!色鉛筆貸して!』

理科室に移動している時に彼が話しかけてきた

「うん。じゃ…こっちで良い?使えそうな色入れといたから」

『良いよ!ありがと!』

彼と話せるのが嬉しい
ほんの少しでも関われる事が嬉しい
嫌な事があっても
それが吹き飛んでしまうほどに
私は彼の事が

『まふゆさん!色鉛筆ありがとう!』

「短くて使いにくくなかった?」

『全然大丈夫!それ何!?すげー!ってみんなに羨ましがられた!笑』

「ははは」

『…また次の理科の時、貸してもらえる?』

「いいよー」

『よし!じゃ、またね!』

彼が使った色鉛筆
人気者な彼が
私の事を…なんて大層な事は考えられない
でもただひとつの事実が嬉しい
嫌な人からわざわざ色鉛筆なんて借りはしない

私は彼からは嫌われては居ない

その事実だけがただ
私の頬を緩ませた

『まふゆさーん!』

「あ、はい!」

理科室に向かう階段の踊り場で
彼から名前を呼ばれた私は
催促される前に色鉛筆を差し出した

『お、ありがとう♪借りるね!』

少しだけ、はにかんだような笑顔を浮かべて
階段を颯爽と駆け登る

身軽だなぁ…
猿みたい

理科の授業中ふと
右斜め前の方向の机で勉強する彼に目をやると

私の小さな色鉛筆を握って真剣な眼差しで
植物の観察結果の紙に色を塗っている

前の席の男子が「いーなその色鉛筆。貸して!」と声を掛けている

彼は首を横に振りながら笑っていた

これ以上好きになったら
きっと私は苦しくなるのに
辛くなるのに
ただ少し絵が描けて
ただ少し珍しくて色が多い色鉛筆を持っているだけの女が
彼の周りに居るような
可愛くて明るくて愛嬌が溢れる女子に
敵うわけはないのに

それでもやっぱり
たった一瞬私にだけ向けられる言葉が
この笑顔が
嬉しくて嬉しくて

色鉛筆を理科の授業で使うのはあと1回。
あと1回だけど

これから少しずつ少しずつ
仲良くなれたら…

『おい。』

「え、なに…?」

『理科の時○○が使ってる色鉛筆って、アレもしかしてお前の?』

「そうだけど…」

『ふーーん…良いねアレ。俺にも貸してよ』

「え、でもあれは…」

『あれー?○○には貸せて俺には貸せないの?なに、アイツのこと好きなの?』

「違う…!」

この男には
この男にだけはバレちゃダメだ

『じゃー次は俺に貸してよ』

「でも…」

『あーやっぱりね~!ふーん』

「違……貸すから!」

『じゃ次は俺な。ヨロシクー』

「……」

なんで
なんでこの男は
わたしのたった一つの繋がりを

爽やかな水色を
ほのかに彩る桃色を
真っ黒に塗り潰して

そんなに私の事が憎いの……

『あ!いた!まふゆさん!』

「あ…」

『今日も貸してくれる?』

「…ごめん。今日は…」

『ダメなの?』

「●●君に、貸してって言われて…」

『えっ…』

「ごめんね…」

『いや、うん!大丈夫!わかったー』

本当はアイツになんて貸したくなかった!○○君に貸したかったんだよ!
なんて言えるわけもなくて

私の横を通りすぎ
階段を駆け上がる後ろ姿が少しだけ残念そうに見えて

どんなに暴言を吐かれても
どんなに睨まれてもすごまれても

揺らがなかった視界が揺れる
景色の色が滲む

たった一つの繋がりが
糸が切れたように

彼と話す事は殆ど無くなった

やっぱり儚かった
けども確実に其処に在った

ずっと引き出しの中に眠ってる

わたしの恋の色

 

まふゆ
さん
地域: 千葉県
職業: 受付嬢
身長: 160cm
体型: 普通
血液型: 秘密
星座: 蠍座

日常の出来事や日々の想いなど、自由に書く事が出来ます。
日記を通しての交流で、新しい出会いが見つかります♪

ログインはこちらから

僕たちの出会いはPCMAX

関連記事

桜の季節

春、それは出会いの季節。 なんて使いふるされた表現ではあるが、 気候が暖かくなり 花が咲き溢れて 大地を鮮やかに彩る様を見れば やはり自然と、新たな出会いに胸が浮き立ってしまうのが人の性である。 さて、春に相応しい素敵な出会いが先日、 このサイトにてありました。 お相手は、近くの地域に住む紳士的な男性。 サイトメールのやり取りから交流させて頂き お互いに盛り上がったために、直接連絡先も交換して仲良 …

ワインと共に春の訪れを感じたい

私、お酒には全く詳しくないけれど今、恋人と飲みたいお酒がこちらである。 ボトルがちょーーかわいい ちなみにこんなグラスがある。 春って別れと出会いの季節だから、ずっと一緒に仕事してきた人が異動になったり、新しい人が来たり、、、 新人さんは、研修研修の日々でまだ挨拶さえも来れていなかったり。 4月ってそこはかとなく寂しかったり、微かにでも感じてしまう期待感もあって華やかな月だと思う。そんな4月らしい …

【ゴールデンウィーク】お出かけする?旅行、イベントみんなの過ごし方まとめ

目次色合いが綺麗なんだよね大分遠征お手伝いの日PCMAXでのGWと5月の想い出 色合いが綺麗なんだよね この時期、近場でも結構楽しめるスポットがあるから、つい足を運んでしまいます。 少し前でしたら、桜の綺麗な名所が近くにあるのですが、名所だけに混雑のレベルが半端無いです。 その代わり、穴場もありますが(^-^) ちょうど今でしたら、躑躅の名所が見頃?か、もしかしたらピーク過ぎてしまったのかも。 ひ …

学生時代の思い出

写真は最近撮ったもので全く関係はないのですが 昔住んでいた土地で、通っていた高校までの道すがらに桜並木があったんですよ ゆるい登り坂なんですが、なにせ結構な距離があったので 投稿時には目覚まし代わりの運動がてら、体に活を入れるのにちょうどよかったんですが ママチャリだった当時でも帰り道には結構なスピードが出せまして ちょっとだけ家から遠かったので自転車でその並木道を駆け抜けていたんですが、桜の香り …

【母の日】プレゼント渡した?母の日についての日記

目次五月ね…駿河湾の味覚母の日にフェイントの母の日 五月ね…駿河湾の味覚 決まって静岡県辺りへは、新蕎麦と秋映えと謂う林檎を求めて十一月に旅をする。 こちら兵庫で五月の海の幸と謂えば淡路島の生桜エビや生シラスが有名で此までは、態々五月に静岡県辺りへ行かなくてもと五月の行楽地にラインナップしなかった。 五月の海の幸なら淡路島産が鮮魚店の店先に並ぶからと。 しかしここ数年…旬の食材が店先を賑やかに彩る …

葉桜

近所のスーパーの脇には 桜の木が1本だけある 今はもう葉桜 仕事が終わったあとひとり その桜の木の横を通りスーパーへ足を運ぶ カゴを片手に店内を回っていると 見覚えのある顔の女性が居た あ、同級生だった子だ 確か…名前は…うーん 彼女はカートに2歳にならないくらいの男の子を乗せて忙しなく買い物をしている わたしには気付かないようなのでスルー …顔は全然変わってないけど… …やっぱり老けたなぁ わた …

恋の思い出

今から2年前、 PCMAXさんで出会った 方と恋をしました。 その時、私は 社会人1年目で ブラック企業で働いていました。 仕事内容は想像していた物と異なり 職場の雰囲気は良い物とは言い難く、 パワーハラスメントを受けたりもして 正直、毎日が地獄でした。 毎朝毎朝、 会社へ向かうのが 本当に辛くて 周りには悩みを話せる人もいない為に 私の精神状態は 今にも正常なバランスを失おうとしていました。 意 …

【5月1日”恋の日””青春の日”】みんなの思い出まとめ

目次「青春、恋の日」青春の日5月の中高生 青春は雲の中に 「青春、恋の日」 青春だってー!懐かしいなぁー! 私にとっての青春の日、恋の日は高校の時だなぁ。 初めて女の子を本気で好きになった日が5月くらいだったと思う… その子はすごく可愛くて、細くて、清楚で、恥ずかしがり屋で、誰よりも制服が似合う子だったんだよね。 最初は憧れから来る好意だと思ってたんだけど、だんだん違うって分かってきたのよ。 いつ …

初恋は、沢口靖子似の18歳

もう、30年以上昔の事です…。 20歳で自営業を始めた私でしたが、女性に関しては奥手で彼女すら居ませんでした。 商売が軌道に乗った、3年経った頃… 23歳の私は自宅を購入し、高級スポーツカーを乗り回していたのです。 しかしながら、相変わらず彼女は居らず味気無い日々を過ごしていました。 そんな、休みのある日… 1人ドライブをしていた私は、昼を過ぎた事もあり、とある食堂に立ち寄ったのです。 その店は食 …

6月と言えば…「ジューンブライド」にまつわるエピソードまとめ

目次誕生月ハードボイル・で・ウェディング 誕生月 毎年この時期になると、いつも梅雨入り(´д`|||) 雨が降ると、やる気を失ってしまいます。 せっかくの休みでも、外に出るのをためらってしまいません?! でも、環境的には雨が降らないと水が無くなったりで大変になるので適度に降るといいですよね! そろそろ夏本番を迎えるし、海へ行くために身体絞るぞー!と思ってても、結局何もせずで終わってしまうことも!? …

無料会員登録
日本最大級の出会い系サイトPCMAXが、 出会いに繋がる多彩なコンテンツで あなたに新しい出会いをお届けします♪